便所飯

便所飯(べんじょめし)とは、便所の個室で食事をする行為の事。友人のいない者、主に大学生が、一人で食事をする寂しい姿を見られないよう、衆目を避けて食事を取る目的で便所飯に及ぶ。

便所で食事をするという行為は一種奇抜であり、便所飯が確認された事例も稀であることから、便所飯を都市伝説であるとする見方もいまだ根強い。これは作法の項にもあるように、便所飯はその行為を悟られる事が絶対的な禁忌であるために、検証可能性の壁が高くなってしまっており、このことが便所飯は都市伝説だと揶揄される原因となっている。一般的には、個室に残されたゴミや食べ残しなどの食事の痕跡や(本来このようなものを残すのは非常に無作法)、便所飯者の綴った自伝やブログなどから便所飯の実態を窺うことが出来る。

便所飯というのは隠遁のための行為であり、便所飯を行ったところで得られるものは、「あの人は一人で食事をしない人」という消極的な評価のみである。

便所飯に熟達すればするほど行為者はステルス性を増し、涙ぐましいその努力が正当に評価されることは決して無い。便所飯とは、便所の影に咲く一輪の花のような、極めて儚いうたかたの芸術なのである。

かつて日本ではアイドルはトイレに行かないという話があった。2000年代の今からすれば荒唐無稽な響きかもしれないが、60年代から80年代にかけての日本では、そのような認識が一般的な理解を得ていたのである。というのも、アイドルが便所に行く姿は関係者によって徹底的に隠匿されており、アイドルが便所に行くということを一般人はほとんど立証できなかったためである。近年、某有名女性グループのトイレ盗撮が大々的に問題となり、アイドルのトイレ姿という神秘のヴェールが剥がされたことを切っ掛けとして、アイドルはトイレに行かないという与太話は霧散することとなった。今後仮に一般人やアイドルが便所飯をしている姿を盗撮されるようなことがあれば、便所飯が完全な公知を得るかも知れない。